レビュー100本突破記念にこんなぐーたらな頁に来ていただいている(恐縮)みなさんによせていただきました☆よしの感涙のひとときでございます。お名前は掲示板の方で統一させていただきました☆

思いつきではじめてしまった企画ですが、「わいがはまったアレがないやんけー」という方は、yoshinoh@vanilla.freemail.ne.jpまで。コメント付きでもリストのみでも結構です。あやしく統計とってみたりもしてます(汗) さああなたも熱く山風お語ろう(笑)


寄せていただいた方々(新しい順)

新着(てらさわさん) 
岡部さん 甘木さんストラングル成田さん 森山さん Mr.Hideさん みもさん 後藤さん お藤さん
おまけなよしの


てらさわさん

『忍法八犬伝』
 
これこそ私のファースト山風でした。快作というか怪作というか。
恐らく、忍法帖のなかでも標準クラスの作品なのでしょうが、初心者にはキョーレツな一冊でした。特に、「忍法地屏風」には絶句・・・
『風来忍法帖』や『明治断頭台』のラストに通じる、「ハンパな悪党が純真そのものの姫君を守って死んでいく」というパターンにいたく感銘しました。
(いや、この手のものって、下手にやるとどこまでも鼻につくので)
 
 
『魔界転生』
 
忍法帖自体に私個人としては大変愛着があるのですが、
一冊選べとなると、涙を飲んで他を切り捨て、この代表作となります。
深作欣二による角川映画版もそれなりに面白く、評判になったこともあって(特にジュリーの天草四郎と千葉真一の十兵衛)一般の知名度もそこそこあるよ うですが、映画は映画なりのスタイルがあるため、いわゆる悪のボスの存在について、かなり違ったものになっていると思います。
映画版のジュリー演じる天草もいいんですが(何せ、未だにあのタイプの悪役は映画、ゲーム、マンガなどでお目にかかれるくらいです)、原作版の小悪党的なタチの悪さを持つ天草も、違う意味で強烈なキャラクターでした。
(善に絶望し、スケールの大きさを保ったまま悪に転じた映画版と、転生したことによって、人間の弱い部分ばかりを攻撃する、ある意味「悪そのものが目的」というような原作版、とでも言いましょうか)
私が真に驚いたのは、万能の黒幕であるかに見えた森宗意軒を、あっさりと武蔵がひねり殺し、スタスタと立ち去るラスト近くです。まさに、「脳髄が崩れてしまった」魔人。
 
おのれの欲求のままに全国復讐の旅に出ようとした武蔵こそ、
この作品の裏の主人公にふさわしいと思うのですが・・・
 
なぜこんなことを書いているかというと・・・
この作品についての総論などとてもできないので、
各論に逃げているのです。謹謝。
 
 
『剣鬼羅摩仏』
バカなアイディアここに極まれり、(誉めているのです)という忍法帖短編白眉。
もう全編絶句、絶句、絶句・・・
『笑い陰陽師』のような持久力のある馬鹿馬鹿しさ(誉めてるんです)とはまた違うのですが、
やはりこういうネタは短編がベターなように思います。
 
 
『幻燈辻馬車』
 
明治ものは、忍法帖に比べてスカが少ないというイメージがありますが、(失礼)
この作品はまさしく風太郎明治ものの代表と言ってよい傑作ではないでしょうか。
幽霊が出てきて、しかも結構重要な役回りを演じるという、一見荒唐無稽に見える設定も、最後の最後に、生きてくるのです。
(山風氏は、最後の一行を決めてから書き始めるタイプの作家なのでしょう)
もちろん、ウリである有名人総出演、意外な史実、価値観の逆転など、いつものテイストも満載。
なによりも、狂言回しであり、最後には物語(歴史)にかかわってしまった干潟干兵衛が、私は大好きです。(志村喬か三國連太郎あたりが適役でしょうか。年齢合いませんが)
 
追記・この作品で私が一番笑ったのは、ついに生前の自分を殺した男を見つけた干兵衛の妻の幽霊が、その男におびえ、息子・蔵太郎の幽霊に「幽霊が怖がっちゃ困りますな」と言われるところです。まったく一番緊迫感のあるシーンで・・・
でも山風先生のそういうところが好き。
 
 
「首の座」「からすがね検校」
 
幕末・明治の短編も傑作ぞろいですが、これは特に好きな二本です。
よく知られた歴史上の人物の、知られていない側面を描く、
というのは風太郎明治ものの醍醐味ですが、たんに興味の対象として描いているのではなく、そのことによって無言の嘲笑と抗議を行っているところが、この作者の真骨頂だと思います。
(ま、本人にそんなつもりはないかもしれませんが)
 
 
『人間臨終図鑑』
 
ある意味で、これも山風氏の代表作ではないでしょうか。
私は、文字通り「何度読んでも新しい発見がある本」だと思っています。
これでも歴史マニアのはしくれでして。
死のデータをこれだけ集めた、しかも索引のある親切な本は、ちょっとないと思います。
このいわば「風太郎流死亡記事ファイル」は、一読すれば、その人間がどのような生を送ったのか、あるいは送れなかったのかが一目瞭然というすぐれ物でもあります。
漱石の記述が一番多いのが、いかにも風太郎さんらしいです。
「1000人近い歴史的人物の死を書いたけど、死んで惜しかったと思うのはまあそのうち10人だね」という刊行後の作者の言葉は、ちょっと衝撃的でした。
(信長、幸徳秋水、大杉栄、小栗虫太郎ときて、一番寿命をやりたかったのは漱石とか)
 
昭和天皇の臨終を風太郎節で読みたい・・・(ヤバいって)
 
今回はこんなところで失礼します。


おまけよしの

きりがないですが、脳漿しぼって無理やりしぼってみますと、長編なら上から『くノ一忍法帖』『魔界転生』『妖異金瓶梅』『警視庁草紙』『笑い陰陽師』、短編なら、「虚像淫楽」「天誅」「死なない剣豪」「忍法聖千姫」「忍者車兵五郎」ですかしらん。★ああああああ、でも『十三角関係』がっ「牢屋のぼっちゃん」がっ

 

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