第5回 インターネットを利用する際のマナー〜特にDCユーザーは気をつけろ〜(2000/07/11)

 第5回のテーマはインターネットを利用する際のマナーについて。本来なら今さら言う必要もないことである。だがそれに対して今さらのように言わなければならないのはなぜか。そのあたり、十分考えていただきたい。

 インターネット利用者が日本でも増えつづける傾向にあることは以前にも述べた通りだが、そこで問題になるのがそこでのモラルであることは言うまでもない。匿名性が生み出す様々な現象は留まるところを知らない。……これ以上は各人がよくわかっていることであろうから、繰り返さない。
 このインターネット利用者の増加にさらに拍車をかけたのが(株)セガエンタープライゼス(以下セガ)の最新コンシューマゲーム用ハード、DreamCast(以下DC)である。このDCの特徴の1つとして、標準で36.6kbpsのモデムを装備していることにあり、手軽に、簡単にインターネットを利用することができるようになった。
 それまでのインターネット利用者と言うのは、ほとんどがそれなりの常識とモラルと知識を持った(と思われる)大人であり、無知な子供が利用することはほとんどなかったわけである。しかしこのDCの流通により自体はだいぶ変わって来ている。DCを使ってのインターネット利用者は現在のところ200万人ほどいるといわれている(私のようにDCからPCに乗り換えた人間がかなり多いのもまた事実であるが)。DCでのインターネット利用者の多くは未成年であり、パソコンに触れたこともないような、非常に無知な人間が多かった。そんな人間が多数このインターネットに流れ込んできたらいったいどうなるか。様々な問題を孕み、さらに起こしてきたのは事実である。少し列挙してみよう。


1.DCユーザーの無知さ

 繰り返すが、DCによるインターネット利用者の多くは子供であったのは間違いない。これによって日本のインターネット利用者の平均年齢は一気に下がった。基本的な常識さえまだ身についていない(と私には見えた)子供達が、である。そして彼らがインターネットの現状を知らないままにインターネットの世界へ流れ込んできたこと。
 本当に無知なのである。匿名性で年齢も性別も相手にはわからない。だからだろうか、彼らは傲慢になった。この世界では何をやっても構わない、ぐらいに思ったのであろうか。彼らが根本的に間違っているのは、このインターネットと言う世界は、現実の延長線上にあるものである、これもまた現実であるということだ。現実世界の日本において、目上の人に対して敬意を払うことは常識である。それさえも彼らは忘れている。……これは現代の子供達が単に目上の人に対して敬意を払わなくなったのであろうか。そうなると非常に大変なことである。少なくとも私はそうではなかったのだが、その傾向は確かに見えてくる。それはさておき、彼らはとんでもない勘違いをしたのである。
 本当に無知な、常識さえもまだ身についていない未熟な者がこの世界に流れ込んできて、いったいどうなったのか。

2.DCユーザーによる事件

 当時(正確に言うと1999年4月までであるが)セガはDCユーザーによるインターネット利用者のために、irc.dricas.comというものを開放していた。しかし、当時からセガの対応は非常に矛盾したものであった。ircのチャンネルの作成を(表面上)禁止したのである。つまりセガ側が作成したチャンネルの利用のみが許可されたかたちになったのだ。しかし、当時セガが用意したチャンネルの数はわずか指折り数える程度だった。当時irc.dricas.comの許容人数は250人から1000人に増やしたのだが、そんなわずかなチャンネルに人が殺到するわけはなく、自分達でチャンネルを作成していた。その中には実はPCユーザーが数多く流れていた。当時のirc.dricas.comの管理状況は非常にずさんであり、まさに無法地帯だったからである。そこでPCユーザーは目をつけた、ということになる。
 そこである事件が起こった。DCユーザーがPCユーザーに対して、その無知からくる、非常識的な発言を行ったりしたのである。PCユーザーはそれに対して、ホストによるキック(kick)をそのDCユーザーに対して行った。DCユーザーはさらに非常識的な行為を繰り返す。そこでPCユーザーの意識の根底に根付いた考えが、「DCユーザーはキックしてしまえ」ということである。whoisというコマンドを使うことによって、PCユーザーは相手がDCユーザーであるかどうかを簡単に判別できるのだ。さらにそれが続いていくうちに、逆にDCユーザーの意識の根底に根付いた考えが「PCユーザーはDCユーザーをばかにしている。キックばかりする」ということである。果たしてどっちが悪いのか。私は明らかにDCユーザーが悪いといっておこう。それは先にも述べたとおりである。
 さらにその後、新たな問題が起こった。いわゆる成人を対象としたチャンネルの作成である。そこにも好奇心を持った未熟な未成年たちが流れる。irc.dricas.comはそれを取り締まることを一切行わなかったわけであるが、その台頭はかなりひどいものであった。右にならえでDCユーザーもそのようなチャンネルを作成していた。他のircサーバーに比べて、割合で言えば3倍〜10倍の割合でそのようなチャンネルが存在した。異常な自体であることは明白であり、当時私も中心メンバーとしてそのようなチャンネルに対する取締りをirc.dircas.comの管理を(表面上)行っている(としている)セガに対して申し入れを何度も行ったが、セガ側からの返答は一切なかった。irc.jo-chat.toというサーバーはそのようなチャンネルに対して断固たる取締りを行い、最終的にはチャンネル一覧取得をできなくするといった事態にまで発展した。
 そしてirc.dricas.comは最大の事件を迎えるのである。日本産経新聞は、irc.dricas.comで起こった女子中学生の個人情報流出の問題を紙面で取り上げた。その女子中学生は電話番号をとあるチャンネルにおいて公開した(彼女の軽率な行動もあったのだが、おそらく本気でそこのチャンネルにいた人物に自宅の電話番号を公開して電話をかけてもらいたかったのだろう)。するとその電話番号が他のチャンネルにも流出して彼女の自宅に悪戯電話が1日に何度もかかるようになり、中には卑猥なものも含まれていたそうだ。これを日本産経新聞は叩いたのである。これにより、セガの態度は一変した。様々な言い逃れ、そしていまさらのように策を考える……などなど。書き出せばそれこそきりがないほどに。当時、私が中心となり活動していたグループはセガに対する不信感を覚え、さらにそれは日増しに強くなっていった。
 どの事件もそうであるが、非常に無知な子供たちによるものである。無知ほど恐ろしいものはなく、何をやっても許されると錯覚してしまうのだ。


3.事件後のDCユーザー

 事件後、irc.dricas.comは一旦復活したものの、DCユーザーのみしか入ることができない状況になった。また、復活までに時間が非常にかかったこともあり、DCユーザーは様々なIRCサーバーへと流出したわけである。さらに馬鹿が他のサーバーへ流出することにより、また同じことの繰り返しである。特にその後のDCユーザーの態度は目に余るものがある。チャンネルに入ったとしても何も言わずに出て行く。常識では考えられないような暴言を吐く。基本的なマナーの身についていないと見える言葉遣い……。これもきりがないのでやめておこう。
 そういえば、某チャンネルの連中と喧嘩別れのような形になったのも、相手はDCユーザーであった。素直に謝ることが出来ない人間とつきあっていたこと、そしてその周りにいた連中もそれを許容したことに対して、いまさらであるが、私は許すつもりは毛頭ない。謝ることの出来ない人間が世の中に出て苦労する気分を味わうといい。


4.IRC以外におけるDCユーザー

 さて、先日の当Webでのあの事件に関してであるが、1人とんでもないことを掲示板に書き込んだ人間がいた。あまりの酷さに私はその書いた人間の名前すら忘れてしまったが。
 ……見るに耐えるものではなかった。どうしてあんな基本的な言葉遣いをすることができないのか。私は彼とは一応初対面のはずであった(どこかであっていても、名前を覚えていないぐらいであるから、たいした人間でもなかったであろう)。敬語を使う気配は当然なく(この程度ならまだ普通にあることであるが)、それどころか実際に口に出してみれば罵声としかとれないような言葉遣い。初対面の人間に対して「ふざけんじゃねぇよ」などというのは、古い不良ぐらいであろうか。私はあまりの酷さにDCユーザーに対してこれ以上ないと言っていいほどの低い評価をすることになった。
 所詮はその程度なのである、DCユーザーというものは。その程度のマナーしか持ち合わせていない人間が社会に出て行く現実があるということを考えると非常にぞっとする。


 それではまとめである。DCユーザーに対しての批判が主となったので、主旨が見えにくくなっているが。
 あくまでDCユーザーは例であるので。
 「インターネットを利用する人間は、大人と同じだけの判断力を持ち、その上で常識的な知識を身につけろ」ということだ。
 それが出来ない人間はインターネットを利用するのを止めたほうが良いであろう。いつまでも被害者の気分でいるな。自分が加害者にもなりえるという考えが何故浮かばないのか。自分が絶対的に正しいわけではない。その程度の浅い考えしかできない人間は、後で痛い目に遭うことが見えていない。まさに盲目である。……もう一度よく考えてみろ。


 それからもう1つ。DCによるインターネット利用者200万人のうち、このような人間はごくごく一部でしかない。しかしその人数は半端な数ではないと言うことである。今になってもまだDCによるインターネット利用者は増えつづける一途を辿っているが、それに比例して非常識な人間が多数流れ込んできているのである。それだけは間違いのない事実である。DCユーザーの常識的な人間を批判しているわけではないことを明記しておく。