□日本での電話サービスの展開と、位置づけの変遷


=日本での電話サービス=
1890年(明治23年)
 東京・横浜で電話開通(日本の電話創業)
 「電話加入者人名表」発行(日本最初の電話帳)
1899年(明治31年)
 東京〜大阪間で長距離通話開始
 全国の電話加入者数1万突破
1900年(明治32年)
 新橋、上野両停車場構内に自働電話(公衆電話)登場
1926年(昭和元年)
 自動交換機導入
 番号問い合わせ100番、火災112番など、特殊サービス始まる
1969年(昭和44年)
 プッシュホン登場
 →通話中に数字を押すことで、メニュー選択を行うなど、電話での情報サービスの可能性。
1970年
 キャッチホン(通話中着信サービス)開始
 ・通話中に他の通話と切り替えることができる。
  →通話を受ける側が「話したい相手」を選択できる可能性
1972年
 小型ポケットベル販売開始
 全国の電話加入数 2000万を突破
1989年
 情報料回収代行サービス(ダイヤルQ2)開始
 全国の電話加入数 5000万突破
1994年
 迷惑電話おことわりサービス開始
 ・あらかじめ登録しておくと、いたずら電話などがかかって来た直後に操作することで、その電話からの通話をシャットアウトすることができる。
 →かけ手より弱い立場にある受け手の保護。

=日本の家庭の中での電話=
日本では、一般家庭に普及しはじめたのは第二次世界大戦後。

家庭の中で、どこに電話が置かれていたか、という点に着目した聞き取り調査では、以下のように言われている。

・家庭に入り始めた当初は玄関先に。(1960年代後半〜1970年代)
 「家庭」というプライベートな空間と、パブリックな「外部」との接点として認識される。

・居間への移転(1970年代後半〜1980年代)
 ←玄関だと、基本的には座れない。暑い時寒い時がつらい…
 おしゃべりの道具として日常化。
 用件を伝える、という電話から、しゃべるためにしゃべる、という「おしゃべり電話」が若い世代を中心に発達。
 モジュラーケーブルを長くとることで、電話機を他の部屋に持ち込み、長電話をする、といったことが出て来る。

・電話の個室化(1990年代)
 家族に電話を聞かれることをめぐる親子などの争い。
 子機を複数もてるコードレス電話によって、個室に一台に。
 さらに、携帯電話の普及によって、他の家族の取り次ぎを経ずに、直接目的の相手と会話を始めることができるようになる。


=吉野の個人的な電話の生活史=
1970年:生まれる。実家は2階建てで1Fが祖父、2Fが父母+本人と妹。黒電話が玄関に一つ。
1980年:祖父死亡。父母が1Fに降りて、父母の部屋に妹が移って個室ゲット。
     このあたりで黒電話がミントグリーンの電話に変わった気がする。しかし機能的には変わらずダイヤルを回すのみ。
1989年:大学入学で東京に。実家に帰省したら妹部屋と自分部屋をぶちぬいて妹部屋に。動じに留守電つきコードレス導入。本体は玄関のままで、妹の部屋・1F茶の間・1F奥の父母の部屋に子機設置。
1995年(くらい):父携帯電話/妹PHS購入
2001年(くらい):母携帯電話購入。
2004年:母携帯メール覚える。週1くらいでなにやらメールがくる。