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■携帯電話はどのようなメディアなのか



□個人専用の電話

 家電(家庭の固定電話)では、原則的には、かかってきた電話を誰がとるかわからない。
 それに対して、携帯電話は、「他人」は取らないのが一応の規範。
 例:親密な関係で、携帯電話の履歴見た見ないで大喧嘩・・・


□固定電話の特徴(渡辺潤ほか).vs 携帯電話の特徴

1.応答の強要(「電話が鳴ったら出る」という規範)
 ←番号通知を見て、都合が悪かったら出ない。 

2.匿名性(誰かを明かさずに了解なく、かけられる←いたずら電話)
 ←番号通知で相当に緩み。

3.視覚・空間の非共有
 ←写メールで断片的に共有可能に。

4.固有の電話儀礼(「もしもし、××さんのお宅ですか?」)
 ←「もしもし」から「いまどこ?」に。儀礼そのものはあるが、携帯電話の使われ方に応じて変容。

5.会話の強要(沈黙を許さない)
 ←これはそのまま?

6.距離のパラドックス(会話をしている二人の「距離」をなくすと同時に、離れていることを確認させる)
 ←このへんも変わらず?

→携帯電話:「受け手」がよりコントロールしやすい電話。


□人間関係の拡大

 従来のメディアでは難しい新しい友人関係の構築と、友人関係の維持に有効。
 ・「広く浅く」
  初対面の人に携帯電話の番号をおしえることに対する抵抗感が極めて薄い。
  名刺がわりに教える感覚。

  ←「家電」(固定電話)との違い
   家族と暮らしている場合、かけられた電話を誰が受けるかはわからない。
   =「世帯」の固定化された窓口としての固定電話


→従来なら残しにくかった人間関係が残せるようになった
  例:「中友」(中学校のときの友達)
   :「ジャニーズ少女」の、入待ち出待ちで知りあった人でいっぱいの携帯アドレス帳

  ←番号通知によって選択的に出る出ないを選べる。
  ←状況と欲求に応じて、誰と連絡をとるか選ぶ。

・+携帯電話からの知り合い 例:メールから知りあった「メル友」
   →メールのみの関係にとどめる
   →メールだけでなく、直接会ったりする
   :卒業した学校の友達など、日常的に接触しにくくなった友達との縁をつなぐ
   「メル友」がいる人は10〜20代が多い。

関係形成のきっかけ日常的には会わないが
会うこともある
まったく会わない
メール出会いメル友本メル友
メール以外旧友のメル友(メル旧友)

 ←東京経済大学:吉井博明の分類
  #「出会いメル友」は、「出会い系サイト」で知りあった人ではないので注意。

メディア別母集団/メル友タイプメル旧友本メル友出会いメル友
携帯メル友携帯メール利用者中で
平均メル友人数
65.8%
(4.53人)
7.2%
(4.82人)
6.5%
(3.07人)
全体で25.4%2.8%2.5%
インターネットメル友インターネット利用者中で
平均メル友人数
-18.2%
(10.81人)
10.0%
(6.55人)
全体で-7.9%4.3%

 #携帯については、モバイル・コミュニケーション研究会(吉井ほか),2002,「携帯電話利用の深化とその社会的影響に関する国際比較」
 #インターネットについては通信総研,2002,「インターネットの利用実態」


□ユビキティ(遍在性):いつでもどこでもつながる──「もしもし」から「いまどこ?」へ

 ←ユビキタスubiquitous(いたるところに存在する[遍在])
 ・24時間体勢で、メールと電話で連絡しあい、かつ、頻繁に会っているという関係
 例:事前に約束をして待ちあわせ(携帯電話以前)→ちょっと時間が空いたときに電話して合流。
  :「表沙汰」にしにくい関係の維持。

 ・画像つきメール:用事があってかける「用件電話」、しゃべるための「おしゃべり電話」から、「感動」伝達へ
 例:イベント会場などでの携帯電話フラッシュ。
  :上野動物園パンダ舎前。
 →「離れていても一緒にいる」という感覚


□身体化する携帯電話

・携帯電話のCMイメージ

 1994年:NTTドコモ「宅麻伸@課長島耕作風味」→デキる管理職/ビジネス利用
     端末買いきりの導入。しかしまだまだ高価。

 1996年:NTTドコモ「織田裕二@若手サラリーマン」→ビジネス利用+プライベート
     普及モードに。

 2000年:TU-KA「浜崎あゆみ@携帯電話融合サイボーグ」→身体化した携帯電話
     あるのが当たり前、身体から離さないのも当たり前。

 →ビジネス>プライベートという流れと、モデルが若くなっていっていることに注意。

 携帯電話は、常に持ち歩くことを前提としたメディアである。
 (家の中でも。例:寝るときにはベッドに ←目覚まし機能)
 それに友達や仕事の連絡先、メールが蓄積されていくにつれ、その人が置かれている社会的なネットワークを反映したツール、アイデンティティの一つの象徴となる。

 例:着メロや、待ち受け画面、ストラップなどのカスタマイズ
   ←単純に取り違えを防ごうという工夫でもあるが、「自分らしさ」を刻むための手段とも。