前回の感想の感想。

お題:バラエティ番組どんなにみていますか?

やらせぽい、と思いつつそれもネタのうちとして楽しんでいる、という人多し。
その一方で、面白くない、見ないという人も。

全然テレビみないので、お勧め番組教えてくれたみなさん、ありがとう。

 

 

本日のお題:携帯電話研究

=「若者」の携帯電話利用への視線=

「最近の若者の友人関係は「広いが浅い」。常に一緒に過ごす友人の数は多いが、議論や悩みごとの相談はせず、深入りしないようにつきあっているため、孤独感を感じている。

このような若者の「必需品」となっているのが携帯電話である。深いつながりがないため、常に連絡を取りあっていないと「友人関係」が確認できない。だから、携帯電話を使って始終取るに足らない話をしている。」

#松田 美佐「若者の友人関係と携帯電話利用」
http://www10.plala.or.jp/misamatsuda/youth-mobile.html

このような議論は、「若者」の風俗を論じた雑誌記事や、異常犯罪に関するコメントなどで良くみることができる。

しかし、1980年代から1990年代にかけて行われたNHK、総理府などの各種調査では、
・「友達」の数は一貫して増加
・「親友」(=悩み事を打ち明ける相手)も増加
・悩み事の相談相手として「親友」を第一位に上げる人も増加
・「生き甲斐をかんじるとき」に「友達といるとき」を上げる人も増加
 (1970年38.8%→1995年63.2%)

浅野智彦+『青少年研究会』の若者の対人関係に関する調査(1992-93年)
友人関係のパターン
1.遠心志向[外向的]
 ・少数の友人より,多方面の友人といろいろ交流する方だ
 ・ひとりの友人との深いつきあいを大事にするというよりは,浅く広くつきあう方
 ・友人の数は比較的多い

2.求心志向[内向的]
 ・友人関係はあっさりしていて,お互い深入りしない
 ・友人といるより,ひとりでいる方が気持ちが落ち着く
 ・友人と一緒にいても,別々のことをしていることが多い

3.状況志向[選択的]
 ・つきあいの程度に応じて,友人と話す内容は違うことが多い
 ・いろいろな友人とつきあいがあるので,その友人同士はお互いに知り合いではない
 ・ある事柄について,我を忘れて熱中して友人と話すことがよくある
→「親密さ」というものは、『内面』の『深み』に秘められた『本当の自分』を中心に置いて、これをどの程度共有できるかによってつきあいを<浅い―深い>という軸の上に位置づけるという図式」で考えられてきた。

 しかし、この図式から第三の因子の高いタイプの人の人間関係を見ると、「誰に対しても『本当の自分』を見せることのない、表面的で浅いものに見える。

#都市と地方の差。大谷信介の調査などでは、「たいていの場合同じ友人と行動をともにすることが多い」と「それぞれの場合に応じていろいろな友人とつきあう」という選択肢に対しては、居住している都市の規模が大きいほど、後者を選ぶ人が多くなる。


「若者の対人関係が希薄化している」という論は、「部分的なだが深い」という友人関係のあり方や、その前提となる自我構造の変容(唯一の「ほんとうのわたし」ではなく、その場その場の文脈に応じた「わたし」を大事にする)という若者のあり方を読みきれてないとも言える。
では、「人間関係希薄化」論の象徴でもある携帯電話は、どのように使われているのだろうか。