■「演技」

 「日記」が開かれるイメージカットや、ワイド画面でのロングショットなどによって区切られ、雰囲気を重視した映像が重ねられる。カメラの動きもそれなりに凝っており、音楽が使われる場合も多い。

 その後、通常サイズ画面に戻って、「演技」が展開される。必ず守られなければならない、とされている「日記」の指示には、「初めて出会った女性を笑わせる」といったささやかなものもあるが、しばしば「自転車で車のあとを追いかける」「ロッククライミングでがけをよじのぼる」といった、「試練」のかたちをとる。 ←「成長物語」の側面。「日記」による出演者の変化。

「日記」の指示は、非常に断片的な恋愛物語のよくある場面を示唆するものであり、それ自体の物語性の薄い。

物語の後半では、「別れを告げる」「『好き』ではないと言う」など、出演者の感情と反することを行わせ、コンフリクトを発生させる一方、そこで感情の強さを演出し「本当の感情」を確認するといった演出をとる場合が多い。

また、驚きや反射的な不快感・嫉妬に現れる「本当の感情」を窃視しする瞬間が、カメラワークやテロップによって演出されている。